ジョンのもとへチョイが来てから数ヶ月、日本での生活もジョン流の更正も順調に進んでいた。

ジョン 「さすがはチョイさん、飲み込みがはやいですね。感心しました」
チョイ 「まぁ、これくらいなら、余裕でヤンスよ」
ジョン 「明日、出かける用事があったので、自習を予定していたのですが、これなら、その必要も無さそうですね。予定を変更して、チョイさんも一緒に出かけることにしましょう」
チョイ 「どこにでヤンスか?」
ジョン 「東京ですよ」
チョイ 「東京?」

次の日、朝は少し早くに出発し、東京に向かう2人。
東京到着後、電車を乗り換え目的の駅を降りると、駅前にはちょっとした集団が待ちかまえていた。

男1  「お!"白虎(ベクホー)"さんだ。お久しぶりです」
女1  「え?あなたが"白虎"さんですか?初めまして"マリン"です」
ジョン 「おひさしぶり。"マリン"さん初めまして、この前のチャットではどうも」
チョイ ("べくほー"?)
男1  「あれ?今日は、お連れさんが違うんですねぇ」
ジョン 「えぇ」

"白虎"と呼ばれているジョンの状況、そしてこの十数人の集まるただならぬ雰囲気に戸惑いつつ、チョイはジョンに尋ねた。
チョイ 「あの〜、ジョンのだんな……この集まりは何なんでヤンスか?」
ジョン 「あぁ、これはアテナファンクラブのオフ会です」
チョイ 「………」

一方、韓国では、帰ってきたチャンを歓迎(?)するかのように、いつもの厳しいトレーニングが相変わらず続いていた。
キム  「はい、あと2セット」
チャン 「えぇ!?あ、へ〜い……」
少しでもキム側の方が良かったかもと思った自分を悔いつつ、追加された2セットをこなそうとした時、
この数年何度となく聞いたフレーズが、キムの口から発せられた。
キム  「そういえば、ジョンさんからの話によると、今年もKOFが開催されるそうです。」
チャン 「もうそんな時期か……ん?と、いうことは……」
キム  「明日からそれに向けて強化トレーニングを開始したいと思います」
チャン (やっぱり……)
いつものこととはいえ、げんなりしつつも、一年前自分が体験した、
違う意味で不幸な境遇にたたされているであろう、チョイを思うと、こう呟いた。

チャン (そろそろ、修行の本当の辛さがわかる頃だな………)

男2  「やっぱ、定番のセーラー服衣装が一番萌えですけどね」
ジョン 「この前のコンサートの時の衣装もなかなか良かったと思いますが」
女2  「あれ、可愛かったですよね〜」
男3  「あ、でも、あの衣装って、一昔っぽい感じがして………」
ジョン 「逆にその感じが良いんですけどねぇ………ハハハ、私も感覚がおじさんになってきたのでしょうか」

先程の集団は場所を移すと、アテナの話を中心に盛り上がっていたが、
その中で、取り残されるかのように、一人の男が黙ったまま、かれこれ数時間を過ごしていた。
チョイ (チャンのだんなが言っていたことは、こういうことだったのでヤンスね………確かに、修行よりつらいかも)

男4  「オレ的には、いつか忘れちゃったけど、数年前のキング・オブ・ファイターズで着てたチャイナ服風衣装が良かったかな」
男5  「あ!あれの白色バージョンがあったの知ってる?ナースっぽくてかなり良い感じだったんだよね」
ジョン 「ほぉ、それは初耳ですねぇ。私としたことが…」
男5  「へへ、じ・つ・は、その画像あるんですよね。じゃあ、僕んとこのHPにアップしとくんで、取ってって下さいよ。あ、ちなみに裏ページの方ね」
ジョン 「ありがとう」
男1  「あ、そうそう、KOFで思い出したんだけど、今年もKOFが開催されるみたいって、どっかの掲示板で書き込みあったよ」
男3  「じゃあ、アテナさんも出るんだろうね……今回どうする?遠征する?」
男1  「まだ、正式発表されてないからなぁ……発表ありしだいってことで」
男4  「でも……今年はどんな衣装なんだろ?巫女とか、メイドとか……」
男2  「それは、アンタの趣味や!」
一同、(笑)←笑いのポイントの解らない1人を除いては。
女2  「そういえば、"白虎"さんはどうするんですか?前回は出場されたんですよねぇ」
女1  「え?"白虎"さんって格闘もやってはるんですか?」
男1  「そう、テコンドーをやってるんだって。で、どうなの?」
ジョン 「えぇ、出場しようと思ってます」
男5  「それじゃ、アテナさんとも戦うかもしれないんですね……でも、怪我させちゃダメですよ」
ジョン 「まぁ、それはそうなんですが……アテナさんもこの時は一格闘家として挑んでいます。もちろん、真剣勝負ですから怪我はつきものですよ……アテナさんだからといって、手を抜いたりしたら、失礼になりますからね」
この時だけは、ジョンも本来の面をみせる。
その場にいた同じ趣味を持つ仲間も、その格闘家としての意見に耳を傾けていたが……。
ジョン 「あ、でも、ちゃんとサインはもらってくる予定ですよ」
男3  「がくっ……なんだ、やっぱ"白虎"さんは、"白虎"さんじゃん。一瞬、別次元の人かと思ったよ」
男4  「でも、いいなぁ、アテナさんと戦えて」
ジョン 「ははは、なら、ここの彼と一緒に、私のもとでテコンドーの修行をやりますか?」
男4  「修行は、ちょっと………はい、やめときます」
一同、(笑)←笑えない1人を除いては。
男1  「さて、そろそろ二次会の方へ移ることにしますか」

チョイ (助かった)
チョイは、二次会の内容が気になるところだが、とりあえずこの場が終わることにホッとしていた………。

チョイ 「で、あの〜、二次会は何なんでヤンスか?」
ジョン 「カラオケですよ」
やっと自分もついていける!チョイの表情が明るくなる。
チョイ 「おぉ、カラオケ!久しぶりでヤンスねぇ、何歌おうでヤンスかねぇ」
ジョン 「あ、ただし、曲はもちろん"アテナしばり"でって事に決まってますから」
チョイ 「え?」
ジョン 「これを機に、チョイさんもアテナさんの曲を覚えて帰って下さい。次のコンサートの時、一緒に歌いましょう」

チョイ (チャンの旦那〜…助けて〜……)



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