坂田冬次 マル秘イラスト を追加しました。
若かりし頃、ある男との果し合いに敗れた冬次は、左目に傷を負う。
失明は免れたものの、冬次の網膜に穿たれたその一撃は、悪夢となって毎夜彼を苦しめるようになる。
その恐怖を克服する為、彼は自分の左目をえぐり出し、忌まわしい過去と共に、それを食らうのであった。
名を周防辰巳という。
冬次とは対象的な、長身で線の細い男である。
その実力は、大南流の歴史において、間違いなく最強であった。二人は共に師範代の段位をもち、他の門下生達から慕われる英雄的存在であった。冬次にとって、辰巳という男は武術を競い合う仲であると同時に、よき理解者でもあった。
しかし、この二人の巡り合わせこそ、後に起り得る悲劇の始まりでもあった。
時の格闘技界において「武を志す者にとって、其の名を知らぬ者なし」と言わしめた伝説の格闘術。
投げられる事に気付く間もなく、敵を吹き飛ばす様は、武術とい域を遥かに越えて、「妖の者」、「闇天狗」等の言葉で形容され、恐れられたという。
だが、今となっては、その凄まじい逸話を疑う声も少なくない。
会津若松で生まれ育った冬次は、気性の荒い群れを好まぬ若者であった。
格闘技と称する技術は一切習っていなかったが、野獣の様な運動能力と手段を選ばぬその手口に、誰もが圧倒された。ある時、そんな彼が一人の男に勝負を挑んだ。
だが、その男に触れる事も叶わず、冬次は敗れた。それが、大南流柔術と坂田冬次との邂逅であった。
綿の帽子とパンツ。
麻の開襟シャツに、革製の靴。
腕時計は、クラシカルなデザインの手巻きタイプ。
彼が片手に所有する鉄扇・鬼丸の強度は、拳銃の弾丸をもってしても貫くことは容易でない。
私闘の禁を破ってまで辰巳との決着に拘り続けた冬次は、後に大南流を破門され、土地を追われる事になる。
以後、執念という言葉のみが生きる支えとなった。そんな彼がギースと言う若造に辰巳が殺されたのを知るのは、十数年の歳月を経てからであった。
そして、墓前で一人佇む冬次の姿があった。
翌朝、僅かな手掛かりをもとに、冬次はサウスタウンへと旅立つのであった。
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