【第六工程 受胎】
《必要となる材料》
羊水 妊婦十一人分
処女の血液 九人分
海水 二樽
女性種の性器 一千個
男性種の陰嚢 三千個
懐妊した女性種から汲み出した羊水と、処女か
ら抜かれた生き血、そして海水。
これらを三対二対一の割合で、女性種の子宮に
模した黄金の桶に注ぎ、そこに木偶が入った卵
を浮かべ、着床、受胎させる。
常時人肌に保たれた羊水を、ゆっくりとかき回
したあと、女性種の性器一千個、男性種から切
り取った陰嚢三千個一つ一つを卵の周囲に沿わ
せるように沈める。
すると、この羊水の中で木偶の細胞は爆発的な
速度で再生をはじめ、代謝、分裂、変異を繰り
返し、また、極端に肥大化しながら、木偶の巨
大な身体を形造ってゆく。
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