| 
 「愚か者が、二人・・・・・・。」
  足元に這うユガの屍を見つめる蒼月。 
  水邪を得て更に冷酷となったその唇が、珍しく笑みを浮かべる。 
  人形師は滅し、弟・火月は妹との平穏な生活を選んだ。
  蒼月は凍る月を見上げ、
 「せいぜい見ていなさい、火月・・・・。これから始まる私の計画を。」
  寛政三年、風間忍群の頭領が世を去り、次期頭領には先代の遺言によ
  り、蒼月なる男がついた。
  蒼月は肥前藩主に働きを認められ、やがて幕府に出入りが許された。
  以来風間忍群は幕府崩壊の日まで、伊賀とともに忍びの世界を掌握し
  たとされる。  
  なお、風間忍群滅亡後、宝刀「青龍」がどうなったか、それを知る者 
  はいない。   |