2000年6月の日記


6月1日(木)*担当者:西川君
今日から6月です。天気図には梅雨前線なんかも登場してて、
これから長雨の季節ですな。

というわけで、今年も開発は終盤です。
もうすぐ、絵描きなどは終了なのですが、その後もまだまだ色々することが・・・。
デバッグとか、ロケテストとか、そのほか各種調整作業などですかね。

昔、「一日調整しただけで、(商品を)出すな!」という、ユーザーの方からの
メールを頂いたことがあるのですが、断じてそんなことはありません。
確かに、かなり苦しいスケジュールの中での開発ではありますけれども。
自由気ままな予定で仕事が出来れば、良いのかもしれませんが、
なかなかそうも行かないので、我々としても色々辛いところではあるのですよ。

出来る限り、頑張っていますので、あんまりいじめないで下さいね・・・。
6月2日(金)*担当者:西川君
「アンソロジーの4コマ読んだら」

自分の担当キャラの演出が(メインでじゃないけど)ネタになってた・・・。
初めてなので、嬉しかった・・・単純ですか・・・ふっ。
こういうのは、他の人はどうなのであろう。訊いてみようっと。

「’95のネオジオCDの販促用の森気楼氏のイラストレーションが描かれた京の
靴下が赤かった。ドット絵の方は、赤ではなかったのだが・・・。
しばらくの後、アンソロジーの4コママンガでそのことがネタになっていた。
『赤の靴下なんて、ダサいよね!!』・・・・赤じゃないのに〜〜〜〜〜〜!」
・・・ちょっと、悲しかったらしい。

「基本的に反応があるのは嬉しいです。思いもかけないつっこみにニヤリ、としちゃうです。『衣装がダサい』というネタは、ううっ、ゴメンよ〜、とか思います。」

「ギャグの4コマが好きですねー。シリアスのは、ちょっぴり恥ずかしい・・・でも読みますけど」

他にも、色々思っている方もいるのですが、今日はこの辺で・・・・。
6月3日(土)*担当者:ほっそん
開発も6月に入って、いよいよオーラスに入ってきました。
画面を見ていてもそうした雰囲気が伝わってくる要素があります。
それは何かと言いますと『音』でございます。
音も色々ありますが、代表的な物と言えば、やはりキャラクターボイスです。
ゲームの形がそこそこ固定できた頃に、このボイスというやつを収録しに行くわけですが、ここ最近はめっきり東京での録りが増えました。
声優さんが東京にほとんどいるというのが、その理由となるワケですけども、そうしますと、声優さんのスケジュールに合わせなくちゃいけないということになるんですね。
声優さんがこちらの都合に合わせてくれるなんて事はまずないので、音声収録の第一関門はスケジュール合わせになります。
キャラのイメージとか演出を伝える作業も入りますんで、一日に収録するのは声優さん3人くらいがベスト(少なくともわたし個人としては、ですけど)だと思います。

だがしかし、だがしかしです。

声優さんのスケジュールに合わせて、こちらでスケジュールを作成すると、あなおそろしや、一日に6〜7人なんて事態も起きたりするわけです。
そうなれば、出発は朝7〜8時なんて事になってしまいます。
時期的に開発もピークに入ってますし、前日は終電まで働いてたりもしますんで、朝はキツイわ、収録人数は多いわと、なんともいかつい一日の始まりとなります。

次の関門ですが、これは音声収録本番になります。これはまた次回にということで。
6月8日(木)*担当者:西川君
事はまだ先のお話なのですが、バグテスト及びロケテストの当番の予定表の発表が。
表の内容は、上司が決めるんで、予定表が出来るまで分からないのですが、
朝一とか、日曜日の夕方とか夜とかに当たると、非常に辛い。
朝一だと、家遠いスタッフは、いつもより更に早い時間に出てこないといけませんからねー。あー、今から辛いわー・・・・。

しかしながら、CPU台に何時間も並んで待っているお客さんも大変ですよねえ・・・。
よく、台数を増やさんかーい、って怒られるんですけど、対応出来る人数が足りないので不可能なのです。ロケですから、ただ置いておく、というわけにはいかない訳なのです。例えば、バグが出たときなど、どういう状況で出たのかを、見ていないと意味がないのです。いつも、いい場所から、ただぼーっと見てるわけではないのです。お客さん方には、いつも、しんどそうで悪いなー、とは思っているのですが。製品版がゲームセンターに出てから是非、ということで、お許し願いたいものです。

(※ちなみに、ロケの詳しい日程など、今のところ、こちらKOF2000のページへの掲載予定はありません。あしからず、ご了承の程を・・・・・)
6月13日(火)*担当者:西川君
あのですね。なんか、「SNKのホームページには、ロケの情報は載せないらしい」と、ネットで流れておりますが(開発日記に書いてあったと)、いや、そういうことではなくて!「KOFのページには載せる予定はないよーん」という意味なのですが・・・(T−T)どうも、わかりにくい書き方を、こちらがしてしまったようで・・・。まどろっこしかったですね、ごめんなさい。

「反省する人々@」

遅刻・・・それは、社会人として怠慢極まりない所業・・・っちゅうことで、朝礼に間に合わなかった人々は反省文を書かされるわけなのですが、中には「こ、これは・・・反省文なのか?」というものがございます。トミー係長がその用紙をネタとして私に託して下さいましたので、第1弾として、ここにそれを幾つか紹介してみたいと思います。(内容はほぼそのままにしてあります)
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

H12.4.16 S・K
「キングチーム(3班)に越してきてからはじめて朝礼に遅刻した。しかも地下鉄が遅延してのことなのでなおさらだ。さらに4班のMさんは遅刻してないのにだ。同じエレベーターだったのに・・・。何が我らの明暗を分けたのかは今となっては定かではない。」(切ない・・・・。:本人談)

H12.2.17 ほっそん
リモコンがない・・・・。いつものように家を出ようとした時でした。TVを消そうと思い、いつものようにリモコンを手にしようとした時・・・・・ない!リモコンがない!!その上、よせばいいのに一度決めたらなかなか考えを変えない性分が災いし、気がつけばいつもより2分遅れで家を出ることに。その上マンションを出たら、こんな時間に来ることがないのにゴミ収集車が道をふさいでおりました。なんとか平静を保ちつつ、その場を切り抜け、時計を見ると8:15分。あと2分ある!!走り出そうとした瞬間、『ガタタタン、ガタタン・・・・・』そうです。以前も信じてもらえませんでしたが電車の早着です。その上、次の電車は2分延着という、「こんな偶然がいくつも重なるなんて、今日は私の人生の中で最高最悪の一日だわ!(by赤毛のアン)てな感じに感慨深い一日の始まりでした。すいません。反省してます本当にすいません」
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
※・・・何度も言いますが、これらは「反省」文です。あくまで上司に見せるためだけの反省文です、ええ。
6月14日(水)*担当者:しらえつ
トイレに行った。

すると誰かが、なんと個室の扉を開けたまま用を足しているではないか!!どういうことだ!連日の多忙さにとうとう見境無くなっちまったのか?しかも女子トイレだぞお・・・!!
誰だこいつ!!

「お疲れさまでーーーす」

N実だ!
入社2年目の若い身空で何て不憫なんだ!最近ヒマになってきたのに何故?!
元々そういう素質が(どんな素質じゃ by西川君)あったのか?!

「爪、塗りすぎてこぼしちゃいました〜〜〜〜〜」

・・・便座に座ってペディキュア塗ってただけかい!!
有機溶剤系のほのかな香りに包まれながら私は叫んだ。

戸くらい閉めろ!!
6月16日(金)*担当者:ほっそん
さて、前回の続き、いよいよ音録り本番の話でございます。

前回でもふれましたが、まずは声優さんにキャライメージとセリフ内容の説明をします。
大体のものは説明できるのですが、どうしてもニュアンスの伝えにくいものなんかが出てきます。
代表的なのがかけ声、あとは英語のセリフでしょうか。

ちょっとネタばらしになりますが、今年のK´のセリフに「どぅらィッ!」というのがあります。
打ち合わせの際、サウンドのSHA−Vくんから、『99のK´はかけ声少なかったから、色々録っときたい』という要望がありました。んじゃ、どうしましょと思っていたところ、突然SHA−Vくんが『どらえッ!』と叫んだのです。なにそれ?と聞いてみると、『庵のどうしたっ!と京のくらえ!をまぜた』とのこと。字面だけだとどうにもなあ、な感じだったので、それっぽくいじってできあがったのが、「どぅらィッ!」というわけです。

声優の松田さんにも事の経緯を説明し、さて本番。

録りの指示は、サウンドの重鎮、KONNY氏が担当します。
いくつかの演出の録りを終え、いよいよ「どぅらィッ!」の番となりました。『ドぅらィッ!』?
むう…、もう1テイクお願いします。『どウラいッ!』?もうちょっと短く願いします。
『どらッ!』うーむ…。テイクへのあまりのこだわりに、声優さんに気を使うKONNY氏が、
「これどういうセリフ?」とたずねてきました。とは言っても所詮はかけ声。
シャレは利かせていますが、そんなシャレのために何テイクとんねん!と怒られるのは目に見えています。
しばらく答えに悩んでいますと、「DRYっていう意味?」とKONNY氏。『DRY』っすか?いや、渇いてません、全然。DRYで連呼されたら、往年の鈴木雅之氏の歌になってしまいます。悩みに悩んだ末、「…かけ声です」ぽつりと一言。「…かけ声なの…?」なんともいえない表情のKONNY氏。
畳みかけるように「ええ!かけ声です!」ときっぱり。
もちろん目は合わせてません
ヒヤヒヤものの時を経て、なんとか録りは終えましたが、あの時の緊張感と来たら、今思い出しただけでもご飯三杯食べられるくらいです。

こんなエピソードもある今年のキャラクターボイス。みなさんお楽しみに。
6月17日(土)*担当者:ほっそん
6月も中旬を過ぎました。お披露目まであと少し。もうしばらくお待ち下さいね。

そろそろロケテストに向けて、最終調整時期に入ります。
この期間には、プログラム的に作成し忘れているものがないかなどのチェックします。

この前もその作業をしているときのこと。
プログラマーのアベタクくんが私の所にやってきました。
「○○の××仕様どうしましょう?」とのこと。
ありゃ?確か仕様は作ったよな、と思い、「仕様書に書いたよ」と答えると、
「仕様書はいただいたんですが、その部分は書かれていません」との答え。
おかしいな。そうだっけ?と思い、今一度仕様書のファイルを開いてみました。
アベタクくんがいる目の前でそんなことをしているもんですから、
アベタクくんも「載ってませんでしたよ本当に」と念を押します。
ところが開かれたファイルを眺めてみて、二人ともしばらく動きが止まりました。

アベタクくん。君の言っているのはこの部分のことかね?
ええ、そうです
この仕様書はちゃんと渡したね?
はい、いただきました
ちゃんと読んだね?
はい、読みました
君、なめとんのかね?
いやあ、見落としてましたねー
私の仕様書を何やと思ってんの?
アベタクくんはさわやかにこう答えました。
お守りです

KOF2000の演出部分の大半は、私の手作りのお守りを元に作成されています。
ファンタスティック、アーンドミステリアスな演出パート。どうぞご期待下さい。
6月28日(水)*担当者:西川君
天気予報によると、梅雨前線の活動が活発になっているとか。
このぶんだと、ロケテストは雨かもしれませんね・・・。
ちなみに、今日は社内でのロケテストです。

この日記が更新される頃には、KOF2000を既にプレイ、もしくは
ご覧になって、あーだこーだとあっちゃこっちゃで語られているんでしょうか。
たくさんのご意見、ご感想、お待ちしてますよ。

「THANK YOU ALL WITH LOVE」

スタッフロールの終わりにこれが流れるんですが、今年は、これがすべてと言えるのではないかと、ひとりで思っていたりするんですが、どないなもんなんでしょう。
’94から始まって、遂に2000年まで来てしまいました。今年はTHE KING OF FIGHTERS2000。
多くのKOFファンの方々が、楽しんで下さることを願っています。
6月29日(木)*担当者:西川君
「KOF2000のヴィジュアル」

KOF2000のメインヴィジュアルは、ここのトップページにあるヒロアキ氏によるものです。
ヒロアキ氏といえば、「餓狼伝説WILD AMBITION」のキャラクターイラストや「武力」のメインヴィジュアル等でお馴染みですが、今年はこうしてKOFのメインヴィジュアルも担当されてます。いつもと違う感じで、かっこいいなー!と思っているんですが、世間の皆様方はどないな感想をお持ちなんでしょう。
キャラクターイラストは、既にご存知かと思いますが、森気楼氏です。こちらも言うまでも無くさすがのかっこよさ、リアルですげえっす!あほみたいに(!)キャラがたくさんいて、毎年ほんっと大変だと思いますが、いつも素晴らしいイラスト、ありがとうございます。

タイトルロゴも、もちろんお馴染みNAO・Q氏
こちらも今年はなんか雰囲気違って、いいっすねー。かっこいいっす。これも、毎年大変ですよねえ、デザインするの。数字が違うだけなんですもん、タイトル名。



日記のTOPへ