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不知火流忍術の正統後継者としてこの世に生を受けた彼女は、幼少の頃から、想像もつかぬ程の過酷な試練をこなしてきた。そして幾つもの季節が移り変わり、遂に奥義継承の証である「不知火の焔」をその身に纏うのであった。
ある日、彼女は祖父・半蔵の弟子として厳しい修行に励む、青い瞳をした青年を知る。鬼気とした表情で、何かを乗り越えんとするその青年に、いつしか彼女は恋をしていた。そして修行を終えた青年が里を下りて行く姿に彼女は、彼がこれより死地へ赴くのだと悟る。 その夜、彼女は一族の掟を破り、独り不知火の里を後にするのであった。 |